骨の構造・形状・分類・成長・過程

骨や関節、筋肉のことに関して、このブログに書いていきます。
本日は骨の構造に関して書いていきます。

骨は主にリン酸カルシウムなど無機質の結晶からなり、軽くて折れにくい性質をもっています。外側は骨膜、内部は緻密質及び海綿質の骨質で形成されています。

骨の成分と組織
骨を形成する成分は、約1/4が有機物、残りは無機物となり、
有機物はタンパク質のコラーゲン(膠原線維)で骨に弾力を与え折れにくくする機能を持ちます。
無機物は主にリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの結晶からなり、骨を硬く丈夫にする機能を持ちます。コラーゲンの格子の隙間を埋めるように存在しています。

骨質には、緻密質と海綿質があり、
緻密質は骨内部の表層を形成し、骨層板でできた強固な組織です。
海綿質は緻密質の内層にあり、スポンジ状の骨梁(骨小柱)でできています。

さらに、骨の中心部には、髄腔という空洞があり、髄腔と骨小柱に造血機能を果たす骨髄が詰まっています。

骨の構造とリモデリング
骨は一つの塊ではなく、成分や組織、細胞の異なる層が幾つも重なり合って形成されます。
骨の表面は線維性結合組織の骨膜によって覆われています。

骨膜は外層の繊維層と内層の骨形成層からなり、内層には骨質を形成する骨芽細胞が並んでいます。
骨膜とその直下で骨の表層を形成する緻密質は、シャービー線維というコラーゲン繊維によって密着している。
緻密質の表面は層状の骨組織(骨層板)からなり、それを木の年輪状にハバース層板が取り囲んでいます。
このハバース層板が骨の構成単位である骨単位(オステオン)となります。

骨のリモデリング

骨は常に新陳代謝を繰り返しており、これを骨のリモデリング(骨改変)といいます。骨膜に存在する骨芽細胞が血液中のカルシウムイオンを使って細胞自体の周囲に骨基質のアパタイトを生成し、骨を太くします。
この細胞は骨基質に埋もれて最終的に骨組織を形成する骨細胞に変化します。骨基質のコラーゲンやアパタイトを分解する破骨細胞が血液中にカルシウムイオンを供給することで、骨の新陳代謝が可能になるのです。

骨の形状と分類

骨には運動器官と代謝器官の2つの役割があります。

運動器官は、
人体の支持及び骨格の形成、筋収縮による関節運動、脳や内臓の収蔵、保護などがあります。
代謝器官は
貯蔵器官として骨質にカルシウム・無機物を、
髄腔には脂肪を貯蔵、骨髄における造血機能もあります。

部位と材質による分類

部位
上肢、下肢、体幹、頭部に分類されます。
骨盤は仙骨、尾骨のみ脊柱の一部として体幹の骨に分類されます。

材質
骨格を形成する骨は、軟骨に対して硬骨といいます。
軟骨は関節軟骨を形成する硝子軟骨、椎間板や半月板、恥骨結合を形成する繊維軟骨、
耳介を形成する弾性軟骨に分類されます。

骨の形状

長骨
上肢、下肢において軸となる棒状の長い骨。太くなっている両端で他の骨と関節を構成します。骨幹は内部が空洞で管状となっている事から管状骨ともいいます。関節から大きく降られることで様々な運動を行います。
上腕骨、尺骨、橈骨、大腿骨、脛骨、腓骨など

短骨
長軸と短軸の長さに差がなく、骨端と骨幹の区別がつかないブロック状の骨です。手根骨や足根骨のように複数の短骨が接して、関節を構成する場合もあります。
手根骨、足根骨など

扁平骨
前頭骨、頭頂骨、肩甲骨のような板状の扁平な骨。肋骨は細長いですが、平べったいので扁平骨に分類されます。
肩甲骨、頭頂骨、肋骨、胸骨など

含気骨
骨の中に空気が入り込む空洞を持つ骨で、頭蓋腔に通じる孔を持つ骨や蝶形骨や篩骨など副鼻腔を形成する骨が主に分類されます。
前頭骨、上顎骨、篩骨、蝶形骨など

不規則骨
形状が不規則な骨で、主に外方へ突き出た突起によって形成されます。
椎骨、下顎骨、頬骨など

種子骨
特定の腱や靭帯を接する骨で、腱とそれに接する骨との摩擦を軽減する役割をもつ。
膝蓋骨など


骨の成長と再生

骨の発生には
軟骨生骨発生と膜性骨発生があります。

軟骨生骨発生
最初に軟骨が発生し、徐々に軟骨から骨組織へと転換していくものです。
軟骨の中で骨芽細胞が分化し、骨化が進んでいきます。
骨化が始まる部分を骨化点とよび、この方法で生成される骨を置換骨といいます。
全身のほとんどの骨はこのように発生します。

膜性骨発生
間葉系細胞が直接、骨芽細胞に分化して骨の基礎となる骨基質を形成するものです。
この方法で発生する骨は、膜性骨または付加骨とよばれます。鎖骨や頭蓋骨は膜性骨発生によって生成されます。


骨の成長

人は発育と共に骨も大きくなり、出生時から16〜17歳、人によっては20歳を超えても成長を続けます。
しかし骨の長さ、太さの成長ではら成長過程が異なります。

まず骨の長さは、骨端軟骨の増殖によって伸張します。
長くなった軟骨が硬い組織に置き換わることで、骨の長さが成長し、すべての骨端軟骨が骨組織に置き換わった時点で骨の伸長はストップします。

また、骨の太さは骨膜の内面に存在する骨芽細胞が骨質を生成し、それが骨の表面に付加されていくことにより太くなります。
同時に骨幹内部では破骨細胞が髄腔を広げ、内側から骨の太さを調整します。

骨の再生

骨折した骨の再生にも骨芽細胞と破骨さいぼは働きます。
骨折すると損傷した部分の骨膜から骨芽細胞が分裂します。
骨芽細胞が作ったカルシウム結晶を損傷部に沈着させ、仮骨を生成し軟骨組織を分化、増殖しめ骨化を促進させます。
そして破骨細胞が仮骨の余分な部分を吸収して整形させます。