基礎知識 第1章①

筋は大きく分けて3種類あります。
心筋…心臓を構成している心臓の壁の筋。横紋筋・不随意筋
骨格筋…骨に付着して骨格や関節を動かす筋。横紋筋・随意筋
内臓筋…消化管や血管壁、内臓壁の筋。平滑筋・不随意筋

骨格筋には、身体を動かす際、収縮している筋肉を主導筋、同じ動作で伸びている反対の筋肉を拮抗筋と呼びます。
例えばレッグカールであれば、ハムストリングスが主導筋であり、反対の大腿四頭筋が拮抗筋になります。
骨格筋の特徴としては弾性、伸張性、収縮性があります。
収縮の様式としては
・アイソメトニック 等尺性
・コンセントリック 短縮性
・エキセントリック 伸張性
・アイソキネティック 等速性

アイソメトニックは筋が短くなろうと力を出すものの、長さが変わらない収縮のことです。全く回らない瓶の蓋を開けようとしたり、壁を押そうとするときにこの力は発揮されます。
コンセントリックは筋肉が短くなろうとして、実際に短くなる収縮です。ダンベルカールなどの際に発揮されます。
エキセントリックは筋肉が引き伸ばされながら、耐えることで力を発揮する収縮です。
ネガティブチンニングや、インクラインダンベルカールの際に発揮されます。
アイソキネティックはトレーニングマシンを使用し、コンセントリックやエキセントリックに筋肉を収縮させます。運動速度や角度、可動域やフォームを保ちやすい様式です。

骨格筋は、筋繊維により構成されており筋内膜によって覆われています。筋繊維が集まると筋束を形成し、筋束は筋周膜に覆われています。
一つの筋全体は筋外膜いわゆる筋膜に包まれています。
筋繊維は筋原繊維という非常に細かい繊維が束になることで構成されます。筋原繊維を構成するのは、縦横に並んだサルコメア(筋節)です。サルコメアの構成は、ミオシンとアクチンが重なり合ったもので、これが力を出し滑ることで筋収縮を引き起こします。
筋原繊維にはアクチンとミオシンの他に、トロポニン・トロポミオシン・α\x{2212}アクチニン・β\x{2212}アクチニン・Mタンパク・Cタンパク・タイチンといった7つのタンパク質が存在します。

アクチンは2重らせん構造をしており、トロポニンとトロポミオシンがアクチンの機能を補助しています。トロポミオシンはアクチンとミオシンの結合部を塞ぐ役目を持ち、トロポニンは筋活動と疲労に関わっていきます。
ミオシンは太いフィラメントをしており、S1ユニット・クロスブリッジと呼ばれる2つの球形の頭部を持ちます。ミオシンはタイチンフィラメントにより安定を保ち、それぞれのミオシンフィラメントは6つのアクチンフィラメントに取り囲まれています。
筋収縮の際はミオシンの頭部が伸びてアクチンの特定部位に結合して2つのフィラメントを結合させます。
この時筋フィラメントの長さは変化せず、サルコメアが短くなったり、長くなることで力が発揮されます。

筋活動の開始は、運動神経から筋へ活動電位が伝達されることで行われます。
活動電位→筋細胞膜→横細管、筋小胞体
筋小胞体に伝わるとカルシウムイオンを放出し、アクチンに結合しているトロポニンと結合します。これによりアクチンと結合しているトロポミオシンあ移動し、ミオシンのクロスブリッジがアクチンと結合します。
この流れをパワーストロークといいます。

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