仙腸関節②

仙腸関節は、左右の寛骨と仙骨といくつもの靭帯で結合しています。
寛骨の寛骨臼には大腿骨頭がはまっており、仙骨は腰椎と結ばれています。
仙腸関節自体は可動性はほとんどありませんが、この周辺の関節、股関節や腰仙関節の動きにより振動する程度の動きが出てきます。それは約1~2mm程度と言われています。
股関節屈曲時には、骨盤の回旋は前傾をし、腰椎は伸展します。そのため寛骨は仙骨に対して、後方に傾き後傾します。逆に仙骨は寛骨に対して前傾(うなづき運動)をします。
股関節伸展時には、骨盤の回旋は後傾をし、腰椎は屈曲をします。そのため寛骨は仙骨に対して、前方に傾き前傾をします。仙骨は寛骨に対して後傾(起上がり運動)をします。

・股関節屈曲伸展時のフォースカップル

フォースカップルとは二つ以上の筋肉が協力して作用し合い効率的な動きや姿勢の維持をしている筋肉の組み合わせです。また一つの筋肉の負担を軽くする作用があります。

股関節屈曲時に骨盤は後傾します。その後傾させるフォースカップルは腹筋群の中の腹斜筋と腹横筋、腸腰筋、大殿筋やハムストリングスが作用しあっています。

股関節伸展時には骨盤は前傾します。その前傾させるフォースカップルは背筋の中の脊柱起立筋群と多裂筋、大腿前面の大腿直筋が作用しあっています。

例えば、ハムストリングスの柔軟性低下や大腿四頭筋の筋力低下などにより骨盤後傾が慢性的に起き、腰痛の原因となることがあります。そのためフォースカップルのバランスが崩れると、姿勢の維持をするために1つの筋肉に負担がかかったり関節部分に負担がかかり、慢性的な腰痛やケガを起こしてしまいます。